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変奏曲 竹宮惠子 原作/増山のりえ


20世紀半ば、舞台はヨーロッパ…ウィーン、カタロニア、アンダルシア、パリ。
音楽に愛されたふたりの少年を主人公にした物語。
ひとりは音楽のみに生き、もうひとりは祖国の革命に参加するもの挫折し、再び音楽に生きる人生を選ぶ。
そんな物語の概要を同志に紹介していただいて興味を持ち読み始めた。

若き音楽評論家ホルバート・メチェック…ボブの目を通して物語は進行する。
主人公は11歳でピアニストとしてデビューしたウォルフ・リヒター。
もうひとりの主人公はスペイン出身のバイオリンの名手エドアルド・ソルティ…エドナン。
1歳下のウォルフの妹アネットは12歳までスペインのマドリガルで生き別れて育つ。後のソルティの妻になる。
3巻の後半はふたりの子どもたちの物語。

①ヴィレンツ物語  主な舞台はウィーン郊外のヴィレンツの音楽院。
②アンダルシア恋歌(マドリガル)
③皇帝円舞曲

マンガ読書記録:3月中旬

1冊構成の中央公論社の愛蔵版と
3巻で成る新書館のペーパームーンコミックス(ハードカバー!)の両方を図書館で借りた。
両方共、読まれて年季が入った本。手に取って読みやすい全3巻のペーパームーンコミックスを読んだ。
冒頭にカラーページがあり、掲載当時のカットに著者のコメントもある良い本だった。
3巻出版が1988年なので、ギリギリ昭和まんが…ですね。


↓感想など




音楽と革命。
ピアノの優等生と奔放な天才バイオリニスト。
オル窓同志の方は惹かれる条件が揃っているだろう。

でも、大きな違いは、そこへ少年愛の世界が入ってくること。
この作品は、そんなに気になりませんよ、と教えていただきましたが…。
きっと十代だったら、美しいウイットのある世界だと思っただろう。
母となり50代になった今、大人であるボブと少年たちの関係は対等な愛とは思えず、少年たちの容姿がかわいいだけに途中から辛くなった。
音楽や美の理解者であるボブの存在や役割は理解できるが、そこへ大人の欲望と見える愛の関係が描かれると…。

少年愛、BLをファンタジーと思えたら克服できるのかも知れないが…。
愛、恋愛は年齢は離れていても、対等でないと成り立つものではないと体感しているので、やはり苦手だと感じました。
ここ7年ほど、ジェンダーのことを考えるようになってからなのか、大人からの少年少女に対する性愛というものに疑問や拒否感を感じてしまうからなのでしょう…。年少者から求めたとしても、その少年が置かれた寂しい状況からそうなったとしたら、そこに存在する大人は受け入れてはいけない、と思うのだ…。

創作した物語にもそう感じるのは粋ではないのかな?
今の時代だから気が付くこと大事かな、と思ったり…。


by j_innocence | 2021-03-30 21:00 | マンガ | Comments(8)
Commented by nonna0928 at 2021-03-31 00:40
mihoさん、こんばんは~。

感想読ませて頂きました!
ペーパームーン版はカラーもあるのですね~。
ペーパームーン版は読んだことがなくて知りませんでした。

ボブは自分の立場を利用して自分の欲望を満たしてましたよね💦
大人が自分の立場を利用して子供を支配してはいけないと私も思います。
これは大人同士でもそうですが、強者が自分の立場や力を使って弱者を支配する社会は幸せな社会ではないですよね。

風木~にも大人達が子供を支配する関係が沢山描かれていて読んでいて辛いものがありました。
当時の時代背景もあるのでしょうか…今なら読者の反応も違うものになっているかも…。

私は「皇帝円舞曲」「アンダルシア恋歌」が好きでした🎵ウォルフと妹の話しが切なくて…皇帝円舞曲はエドナンとウォルフの友情関係と音楽への情熱が好きでしたね~☺️

2人の子供達の話しは…2人共親の犠牲になっている…と思いました。
2人の子供の話しの続き「カノン」はペーパームーンで昔連載されていたのですが、これも途中で未完のままです。

今の時代だから描きにくくなっているものもあると思います。
mihoさんの書かれていたように今だから気づくこと沢山ありますよね。

Commented by 悠海ゆう at 2021-03-31 00:50
こちらではお久しぶりです。
変奏曲、読んだことあるはず…あまり覚えてない(^-^;
名前とか大まかな設定とかは覚えてるんですが。

ご感想に書かれたことがわかる気がしますと一言言いたくて。
風木にも出てくる、少年を愛でる大人。作者はこれを一貫して耽美趣味と捉えてるように思います。
10代で初めて読んだときは、未知の世界的なドキドキワクワクや、なんでそうなる?的な興味もあって、読めてたんですけどね・・・。
たいてい少年達はそこから幸福を得られないので全面肯定することではないのはわかってらっしゃるのだろうけど、破滅の美的なものとして額に入れて崇めてるような気がします。
そこに少年の意志があればまだいいんだけど、その大人の目線を通して、少年を消費しているようなところがあって、何となく違和感があります。
(少年が好きならストレートにそう言えよ、と思ってしまう)
歳の差純愛があってもいいですけど、作者のカラーとして欲望が先に立ってるのが感じられるんだな。

いろいろ他にも思うところがある作者さんですが、mihoさんのご感想に近い部分があるなと思って、脈絡ないですが書かせていただきました。
Commented by j_innocence at 2021-03-31 21:01
>マーシャさん
こんばんは。
こちらこそ、この作品を教えていただいてありがとうございます。
作品としては、心惹かれるところが多く、描かれた時代のことも考え合わせると読んでよかったと思っています。音楽、友情、革命…同じようなテーマでも物語を読んで受けた印象がこんなにも違うというのが個性なのでしょう。

ペーパームーン版は、ハードカバーでカラーページもそのままで、当時は気合が入ったものだったのだと感じました。この本がきれいな状態なら、ファン垂涎だと思います。図書館の本なので、読んだ方が多かったのだなぁ、と感じる状態でした。

反発から友情へ、この辺りは丁寧に描かれていて、作家さんふたりの思い入れを感じる物語です。親子関係…これも不滅のテーマで、こちらも表現に個性が、と思いました。
竹宮先生がいなかったら、日本にこんなに多くのBLマンガはなかったと思うので、ある意味偉大な存在ですね。

今だから気づく。時代もありますが、私自身が年齢を重ねて気になるところが増えてしまったのかも知れませんね。
Commented by j_innocence at 2021-03-31 21:13
> 悠海ゆうさん
コメントありがとうございます。ゆうさんと感覚は近い、と感じました。

音楽、友情、革命…条件は揃っていて…。
耽美趣味…たしかに昔は未知の大人の世界でした…。

自分自身が大人の世界に足を踏み入れて以降、経験や体感した感覚からアンフェアな関係に違和感を感じるようになりました。年の差純愛は一方が少年少女の内はプラトニックなら、まだフェアな感じがします…。大人になるまで待つ意思があれば、まだしも…。
消費を感じると生理的に違和感を感じるのかも知れません。

他にも思うところ>他の作品にも、たしかに…。ここは嗜好ですかね~。
「地球へ…」はとても好きな作品なのですが(^^;)
Commented by 悠海ゆう at 2021-04-01 00:33
私も「地球へ…」と「ファラオの墓」「天馬の血族」は割と好きです。
あとは何となく気になるところがどこかしらあって(^-^;
キャラの魅力を言葉で説明してしまうものが多いというのかな(厨二的な感じで)。あと作者がご自分で凄い凄いと言ってるようなところも感じてしまう。
自分の読み方が穿っているのでしょうが、何となく没入できないのです…残念なんですが。

歳の差があっても、下心があっても「あさきゆめみし」の紫のくだりは許せるんですけどね…。あれは源氏が誠意を持ってぎりぎりまで堪えてるからかもしれないですね。
Commented by j_innocence at 2021-04-01 22:57
> 悠海ゆうさん

こんばんは。
書いていらっしゃる感覚、近いところで分かるような気がします。
「変奏曲」も原作があるためなのかと思っていましたが…言葉が少し過剰だと感じました。
絵や表情で充分、表現できているのに…と。
たしかに没入できるか、できないかで随分ちがいますね…。
「イズアローン伝説」リアルで追っていたのですが、後半、少女マンガを読まない時期に入ってそのままになりました。主人公が心身ともに痛そう、辛そうなところから気持ちが離れたのかも知れません。

感覚的に合う方もいるのだと思います。これは嗜好や生理的な感覚が支配するところかな、と(^^;)

光源氏…「あさきゆめみし」は受験の時、友人に借りて読みましたが、ファンタジーとして…💦…どちらかと言うと苦手なマンガでした~。同じ作者の「NY小町」はすごい好きだったんですけど。男として育てられた女子に弱いんですね。

言葉が多い>「夢の碑」は割と多かったと記憶しているのですが、好きだったのは感覚的なところなのでしょうか…(^▽^;
Commented by ルー at 2021-09-04 14:31
しばらく前ですが、増山さんが変奏曲のその後のストーリーだけアップしてたのですが、いつの間にか検索できなくなりました。ご存じの方いますか? 

ボブがカメリア館を売却して(エドナンはすぐにそれを抑えるべく購入に名乗りをあげたとか…)ニーノのためにアメリカに移住するくだりとか。
なぜかフェルがイギリスのマナーハウスで生活していて、エドナンが会ってもいないのにサイズぴったりのコートを送ってきて素敵~とか。
アンリエットが歌手だか女優だかで活躍しているくだりもあったけど、かなり無理な設定。
往年のファンとして続きを読むことだけでも幸せですが、ぜんぜん面白くなかった。何というか、、、読んでいてバカバカしくなっちゃった。2世の話は無理があるし、もう時代にあっていないかな。と感じました。

ポーの一族の復活とは別物。あちらは主人公がそのままという強みがあるもんね。変奏曲はもうこのままそっとしてほしい。
Commented by j_innocence at 2021-09-05 08:08
> ルーさん
はじめまして。カキコミありがとうございます。
「変奏曲」は同志に教えていただいてこの歳になって読みました😅
私は、竹宮作品「地球へ…」以外詳しくないので…
よかったらTwitterで聞いてみましょうか?
その場合は、お返事いただいてからに致しますね😊



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