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香君 上下巻 上橋菜穂子


1週間ほどかけて一気に読みました。
おもしろかったです。
物語の始まりも途中の展開も上手い。
最後はこんなにうまくいくのか、と思う自分がいましたが…。
現実はこうは…なるまい、と。
世や人は、こうありたい、そういうことなのかも知れません。

植物に関わる物語を書きたい、と思っていたと著者があとがきに書いている。
架空の世界が舞台ですが、米、その害虫、が物語の大きな流れを作っている。
興味のある方は読んでのお楽しみ、ということで…。

読書記録:2022年6月中旬

2022年株式会社文藝春秋

↓ アレコレ覚書




登場人物は魅力的でした。
初っ端、主人公アイシャが毒殺され埋葬されたと思ったら、助けられ、思いもかけぬ人生を歩んでいく。
そのアイシャを殺すように仕向け助けた男マシュウとアイシャが仕える香君であるオリエ。
香りを基に稲作を司る香君は皇帝と並ぶ存在でもある。神格化された香君は聖なる存在で婚姻や出産は以ての外。
この香君のシステムがSF的で「マージナル」を思い起こさせる。
実際、神ではないオリエは精神的には追い詰められている。

ここは本筋ではないのですが…惹かれたところ。重要なふたりではあるのですが…。
生まれ故郷から都に連れて来られたマシュウとオリエが出会い(17歳と15歳)
お互いに惹かれあい、でも一線は超えることはなく…。
マシュウがいい男なの。

物語の最後、アイシャが香君となり、香君の座を退いたオリエ(22歳?)はやっとマシュウと一緒になれる。
それはオリエが政敵から口封じに毒をもられ、身体に不調を来たしてからである。
その5年後の姿が描かれているが、オリエは少しは良くなっているものの、まだ身体に不調をきたしたままである。
この辺りがどうも切なくて…。代償と引き換えにしか、手を取り合えないのか、と。

本筋以外に反応しながら読んでおりました(邪道)


by j_innocence | 2022-06-27 22:01 | | Comments(0)
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